Leadership Insights
社内で改善提案や変革の提言を行う、あるいは新規事業を提案するようなときに、自分の主張内容を論理的に組み立てる方法論として、イシュー・アナリシスと呼ばれる方法があります。「あなたは●●すべきである」という命題を、論理的に分解する作業を通じて、その命題にYesかNoかの判断を下すとすれば、何を検討したらよいのか、「論点=イシュー」を明らかにする道具です。筆者はかつてコンサルティング会社で働いていた時に、その方法論に出会い、主張を納得してもらうために、根拠を漏れなく揃える上で、非常に役に立つ手法であると感じているのですが、この手法をきちんと解説したビジネス本はなかなか見当たりません。そこで今回は、戦略仮説のイシュー・アナリシスのやり方を解説しながら、筆者の持つノウハウを読者の皆さまにお伝えしていきたいと思います。
 
東日本大震災とその後に発生した原発事故から始まった東日本の電力不足は、その後、日本全体の問題に発展しています。皆さんのオフィスでも節電が迫られ、色々と大変なことも多々おありなのではないでしょうか。企業研修の現場でも、影響はけして小さくありません。しかしながら筆者は、今回の電力不足がきっかけとなり、日本経済が20年間苦しんできたデフレを脱却する好機になるのではないかと言います。デフレは、有効需要に対する生産体制の供給過剰が原因と考えられ、製造業については特に今回の震災と電力不足がきっかけで収益性の低い事業の見直しをする機会となりうるということ、そして、夏季休暇の分散化、長期化が進むことで内需の拡大につながる可能性があると筆者は考えています。
 
最近、筆者が非常にパフォーマンスに関係すると実感しているのが“機嫌”です。内田樹さんによれば、「危機的局面」において人間は上機嫌になるものだそうで、それは精神論的な教訓ではなく、追い詰められた生物が生き延びるための戦略であるそうです。筆者の経験している様々な局面でも、人が上機嫌になるシーンというのは、必ずしも取り組みが順調に進んでいるとは限らない時であり、むしろ一生懸命やっているときに思いっきりダメだしをされたときなのです。ビジネスの現場では“機嫌”よりもモチベーション、やる気という言葉のほうがよく使われますが、今後は“機嫌”に関しても個人、組織全体のパフォーマンスを促進するためのアプローチになりうると筆者は考えています。
 
ソーシャルメディアの発達と普及によって、個人レベルで誰もが手軽に情報を発信できる時代になりました。しかしながら、手軽さが増したことによって情報を発信するということの意義や責任がなおざりにされているようにも思えます。コラムの最終回となる今回は、“情報を発信する”ということについて考察していきます。自ら情報を発信するということは、発した内容に関して責任が伴うものです。個人レベルのつぶやきであっても、ネットを介せば立派な情報発信となってしまいます。また、企業の情報発信力についても筆者は震災に際して考えさせられたと言います。いつ、誰に、どのような情報を伝えるべきか・伝えたいのか、日頃から企業は様々なステークホルダーに対する広報戦略に心を砕いているはずの企業であっても、肝心な時にそれができていなかったケースも多かったようです。情報はただそこにあるだけでは価値はなく、必要な人に正しく伝わり、活用されてこそ価値あるものとなるのです。
 
筆者は最近日本ラグビーフットボール協会の中竹竜二さんが書かれた本を読み、非常に共感を覚えました。そこでご本人に直接会いに行き、話をする機会を得ました。その際に、中竹さんから出た「大人の学びには痛みを伴う」という言葉が筆者の心に突き刺さりました。もともとは成人教育学者のジャック・メジローが提唱する考え方がベースにあるもので、変容的学習ともいわれる考え方です。そこで筆者は変容的学習について自分なりに解釈し、人材育成における具体的な活用方法について考察します。人材育成や研修の場面において、痛みをどのように形成し、学びや成長に結び付けていくのかを筆者はどのように考えているのでしょうか。