Leadership Insights
筆者がファシリテーションを行っている経営シミュレーションですが、今回はサービス業のROAを高めるヒントについて考えていきます。代表的な経営シミュレーションであるDecision Baseは製造業をモデルに作られていますが、筆者によればサービス業に携わる人にとっても非常に重要な示唆が得られるものになっています。典型的なサービス業であるコンサルティング業を例にとりあげて考えてみましょう。売上高利益率の観点と資産回転率の観点から考えると、製造業もサービス業も事業である以上、基本構造は全く同じだと筆者は言います。ROAを高めようと思えばいかに原価以上の価格で製品やサービスを販売するか、ということと、資産をどれだけ回転させるかということにつきるからです。
 
筆者は最近経営シミュレーションのファシリテーションを行うようになり、今後の日本企業の戦略を考える上で重要な気付きがいくつかありました。今回から数回に亘って、その気付きをみなさんと共有していきたいと思います。今回は、マイケル・ポーターの提唱する差異化戦略について考えてみましょう。 近年国内市場が成熟化する中で、競合企業との差異化を図るため、「画期的な新製品を出すには」「斬新な製品を発想できる研究開発者のコンピテンシーはどのようなものか」「そのために人材をどのように育成・採用すべきか」…等々の検討を行っている企業も多いのではないでしょうか。ところが、経営シミュレーションでは商品の差異化戦略をとることはできません。しかしながら、企業間の業績には大きな差が生まれるのです。それはなぜなのでしょうか。筆者はそこに今後の日本企業の戦略を考えるにあたって重要な示唆があると考えています。
 
今年になって社内の公用語を英語にするという発表を行った日本企業が何社かあります。筆者はこのような動きを日本企業の経営パターンが多様化してきたことの現れとして前向きに評価しています。社内の公用語を英語にするというのは、経営者から発せられる社内外への強烈なメッセージとなります。そこには自社のビジョンやミッション、戦略が色濃く反映されているからです。筆者は、社内公用語が英語になる動きが、企業の経営形態の多様化の起爆剤になりうると考えています。
 

ウェイ・マネジメント

(2010年10月28日)
近年ウェイ・マネジメントへの注目が高まっています。先日インヴィニオ主催で開催いたしましたウェイ・マネジメントをテーマとしたセミナーでは、京セラの伊藤謙介氏とファミリーマートの岩崎浩氏にご登壇いただき、それぞれの会社におけるウェイ・マネジメントについて語って頂きました。この両社は、ウェイが作られる過程、浸透の方法などが非常に対照的であり、それぞれの良い点が浮き彫りになったご講演でした。筆者は両社それぞれの特徴的な点を考察し、両社に共通する「右脳に訴求する」という点がウェイ・マネジメントを成功させているのではないかと考えます。
 

新鎖国論(下)

(2010年09月30日)
国の経済力や競争力、国民の豊かさを考えるとき、私達はすぐにGDPなどに代表されるフロー指標に目が行きがちです。しかし、フロー指標に注目する限り、少子化と高齢化で生産年齢人口が減少し続ける日本が、若年人口の増加著しい新興国と互角に勝負するのは基本的に無理があると筆者は言います。目を転じて価値競争力の源泉をストックとして考えると、日本の競争力ポテンシャルは無限大にもなりうるのです。日本が世界に誇る伝統文化のかなりの部分は鎖国時代に生まれ、発展、確立されたものであるとも言われており、日本の価値競争力を抜本的に高める上で、鎖国時代に見られたような日本文化の深耕と再構築にいまこそ真剣に取り組むべきではないでしょうか?