EQ


EQ(Emotional Intelligence Quotient)
EQとは、自分の感情を調整・利用することで、本来自分が持っている能力を最大限に活かすことが出来る豊かな人間関係をつくる感情的な力のこと。日本では「情動(こころ)の知能指数」と訳されている。
1990年に、アメリカの心理学者、ピーター・サロベイ、ジョン・メイヤーが「IQ(知能指数)の高さ」と「ビジネスでの成功」の関連性を示す為に行った調査で、「IQの高さとビジネスでの成功に相関関係はない」という結論に達した。IQに代わる「ビジネスでの成功者たちに共通する要因は何か?」という新たな調査の結果もたらされたのがEQ理論である。
EQは、現実的な自己モデルを形成してそれを行動の指針とする能力(心内知性)、周囲の人の気分や動機、欲求を捉えて適切な行動をする能力(対人関係知性)、時と場合によって相手を受け入れたり、共感したりする能力(状況判断知性)の3つの知性と、それを細分化した8つの能力によって決定される。これらの能力をそれぞれのどの程度備えているか、および3つの知性のバランスがどの程度良いか、ということでEQの高さは決定される。
知性 | 能力 |
心的知性 | 1)自己認識力 |
2)ストレス共生 | |
3)気力創出力 | |
対人関係知性 | 4)自己表現力 |
5)アサーション(意思疎通力) | |
6)対人関係力 | |
状況判断知性 | 7)対人受容力 |
8)共感力 |
EQが高い人、というのは、「自己と他者に対して理解している」「柔軟な目標設定が出来る」「人間関係を構築し、そのネットワークを活用できる」という能力に秀でているために、自分の持つ能力、相手の持つ能力を最大限に引き出し(=パフォーマンスを向上)、ネットワーク上で様々なサポートを受けやすいために、目標達成する可能性が高い、とされる。
IQが、もって生まれたやや固定的なものであるのに対して、EQの能力は後天的にいくらでも高めることが出来る能力である、という発見は非常に大きなインパクトを与えた。EQを活用した人材採用、配属・選抜・人事異動の資料としての活用、育成に際してのフィードバックなど、多くの企業で現在も活用されている。