生産的コンフリクト/破壊的コンフリクト


生産的コンフリクト/破壊的コンフリクト
コンフリクトは「人と人との考えや意見の対立」を意味するが、組織行動学の権威であるスティーブンP.ロビンスは、コンフリクトの機能に着目して、生産的コンフリクトと破壊的コンフリクトとに分類している。
生産的コンフリクトとは、集団の目標達成を支援し、業績を向上させるものであり、異なる立場にあってもその違いを建設的に捉え、新たなチャンスや見方、新しい関係性につなげることのできる対立を意味する。一方破壊的コンフリクトとは、集団の目標達成を妨げるようなコンフリクトであり、イデオロギー、意見の対立などで敵意、暴力に発展してしまう対立を意味する。ロビンスは、生産的コンフリクトと破壊的コンフリクトの境界線は実際には不明瞭であり、絶対的に容認される、あるいは逆に絶対的に容認されないコンフリクトの基準はないとしている。
組織内において、一人がある意見を述べ他の人がそれに異を唱えた場合、お互いに相手を論破しようとして相手の意見の批判・非難を始めると、「退化のシナリオ」に陥り、「お互いを無視」⇒「相手への怒り」⇒「チームからの離脱」へと発展しかねない。どちらが正しいかを決定することよりも、それぞれの意見の妥当性を検証する、あるいは相手の意見との共通点を探すことによって、破壊的コンフリクトを生産的コンフリクトへと転換することが可能となる。