ワークアウト


ワークアウト(Workout)
ワークアウトとは、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)のジャック・ウェルチ元会長らが作り上げた組織の風土改革メソッドのこと。「無駄な仕事(work)を追い出す(out)為に、組織横断的な小グループを作って業務改善案を募り、組織のプロセスに変化をもたらすアイディアをタウンミーティングで責任者に提示し、公開討論を経てその責任者が提案の採用・不採用をその場で決定する。
現場主導の、いわゆるボトムアップの「改善」活動ということでは、日本で広く採用されてきたTQCにヒントを得ているが、解決案が直接トップに提示され、それをその場で判断するという即断即決で実行していく為に非常に即効性の高い手法である。
元々は1989年に社内の官僚化体質からの脱却を目指して、当時の会長兼CEOだったジャック・ウェルチがニューイングランドの伝統的なタウンミーティングやボトムアップの改善手法を参考に率先して開発・制度化に取り組んだ。
一般的なワークアウトは、社内のさまざまな階層から40~100人ほどの従業員が集まって、2~3日にわたって行われる。最初に、マネジャーが大まかに事業内容を説明し、その部門が抱える課題や目標を呈示する。それが終わるとマネジャーは退席し、話し合いには参加しない。参加者はいくつかのグループに分かれ、ファシリテーターと呼ばれる進行役(外部のコンサルタントやビジネススクールの教授など)の助言を受けながら、提起された課題について議論を行う
一定の解決策が出たら、マネジャーを呼んでその説明を行う。(タウンミーティング)参加者がまとめた提案を聞いたマネジャーは、その場で採用するか、却下するかを即答しなければならない。その場で結論を出せない場合も、決断を下すべき期限を設定する。提案が承認されたら、“オーナー”と呼ばれる実行リーダー(通常は提案の提案者など、改革に積極的な社員)に権限が委譲され、実現に向けて具体的な活動が行われる。
市場の変化に即応し迅速・スピーディでシンプルな意思決定を目指して、試行錯誤のうえで形成されたひとつのシステムであり、情報のフローであり、なにより継続的な組織変革と組織学習のシステムと言える。大企業だけではなく、中堅企業・ベンチャー、官公庁やNGO、NPOといった非営利団体まであらゆる組織の業務改善、風土改革に活用できる手法である。
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