モチベーション理論


モチベーション理論(動機づけ理論)(Motivational Theory)
モチベーションとは、人間の行動を喚起し、方向づけ、統合する内的要因のことで、「動機づけ」ともいう。何かを欲求して動かす(される)ことで、目標を認識し、それを獲得し実現するために、方向付けたり行動したりすることを言う。
人が何によって動機づけられ、やる気が高まるのか、を研究した理論のことをモチベーション理論(動機づけ理論)と呼ぶ。モチベーション理論は主に1950年代に広く研究が行われ、現在でも有名なマズローの欲求段階説、マクレガーのX理論Y理論、ハーズバーグの動機付け・衛生理論 (二要因理論)などが展開された。これらの3つの理論はモチベーション理論の中では初期の古典とみなされることが多いが、現代の理論は基本的にはこれら3つの理論をもとに発展してきており、各論ともに批判も多いが普遍的な要素も多く見られる。
現代においては、初期のモチベーション理論から発展する形で、マクレランドの欲求理論、目標設定理論、強化理論、公平理論、期待理論などが展開され、特に目標管理による報酬制度のもととなる理論となっている。初期のモチベーション理論が、「人は何によって動機づけられるのか」といった「動機づけの内容」に関する理論であったのに対して、現代のモチベーション理論はむしろ「人はどうやって動機づけられるのか」という「動機づけの過程」を重視した理論となっている。
一方で、モチベーション理論の多くはアメリカ人がアメリカ人について考え出したものである為、前提となる要素の多くはアメリカ人に特徴的に見られる性質であることが多い。
例えばマズローの欲求段階説では、人はまず生理的レベル、安全的、社会的、自尊的、自己達成的の順序で欲求を移していくとしている。この段階の順位は、拡大解釈すればそのままアメリカの文化と一致しており、他国の文化では重要さの順位が異なる可能性もある。
目標設定理論もアメリカでうまく機能しているのは、その鍵となる要素がアメリカの文化と合理的に良く合っているからであり、アメリカとは異なる文化的条件を備えた国で、機能するとは限らない。
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