メンタルモデル


メンタルモデル(Mental Model)
メンタルモデルは元々認知心理学の用語で、個人が現実世界をどのように認識し解釈しているかの認知モデルであり、個人にとって思考の前提を成すものとされる。例えばある人がジャングルに生まれ育ち、小さなころから野生動物に追い回された経験があれば、その人は「動物は恐ろしいものだ」というメンタルモデルを形成する可能性が高い。あるいは若いころに何度も詐欺に合った人は、「人間は騙すものだ」というメンタルモデルを形成する可能性が高い。ビジネスの例で考えると、同じ事業に携わっていても、あるマネージャーは「ビジネスは競争」と考え、別のマネージャーは「ビジネスは顧客を喜ばせること」と考えることがありえる。すると打ち手にも違いが出てくる。
組織開発の主目的であるアラインメント(組織メンバーのベクトルを揃える)を行なう際には、しばしばメンタルモデルまで考慮する必要が生ずる。例えば、アラインメントが進まない個人、チーム、組織に対して、無意識の前提を成すメンタルモデルを敢えて言語化させる、あるいは逆にメンタルモデルを意識的に保留させることで建設的、共創的な対話の場を作る、といった工夫や仕掛けが必要となる。