システム思考


システム思考(System Thinking)
システム思考(システム・シンキング)は、主として社会科学分野における分析アプローチの一つで、事象全体をシステムとして捉え、システムを構成する要素同士のつながりと相互作用を可視化することを通じて、事象の生じている原因や本質に迫ろうとする思考方法である。この考え方は、機械論のアンチテーゼと位置づけることができる。機械論においては、原因と結果の因果関係が線形的(一方通行的)に捉えられることを暗黙に仮定している。これに対してシステム思考では、人間活動や組織、社会の全体を、有機体あるいは開放系・複雑系として捉え、ある事象が原因であると同時に結果でもある等、相互作用が一方向ではないという前提に立つ。組織開発コンサルタント(組織開発の専門家)は、組織の問題や課題を分析する際にシステム思考を活用し、組織構造、ワークフロー、人事制度、評価システム、組織文化、人材の知識・スキルなど、様々な要素の相互作用を考察しながら、組織で起きている問題や課題の本質を探っていく。