クロトンビル


クロトンビル(Crotonville)
クロトンビルの正式名称は「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」。ニューヨーク州クロトンビルにゼネラル・エレクトリック(GE)社が開設した世界初の企業内ビジネススクールである。研究所があるクロトンビルの地名から研究所自体の名前を指す。
このスクールはGEから分社した組織のマネジメント習得の経営研修所として1956年にスタートした。当初より幹部開発研修所として活動を行ってきたが、1980年代の急激な人員削減などを行った後に、当時の会長兼CEOだったジャック・ウェルチの命でクロトンビルのリーダーシップ・経営管理開発機能を復興し強化すべく、当時ミシガン大学教授だったノール・M・ティシーがクロトンビルの運営責任者に任命された。ノール・M・ティシーが開発した様々なレベルの幹部向けプログラムが、現在の教育プログラムの基盤となっている。
現在、リーダーシップ教育として提供されているのは、1週間(5日)教育のジュニアレベルの3コースと、3週間(15日)教育のシニアレベルの3コース、計6コースである。ジュニアコースは、各職場から選抜された、入社数年以内の若手、マネジャー昇格者、中途採用を含むマネジャー経験者の研修を実施している。シニアコースの講師の約90%は社内幹部で、CEOも必ず出席している。特にシニアコースの上級2コースは、CEOが承認した人材だけが参加できる。
このコースでは国際的なチームの管理手法のレクチャーやGE最高幹部による経営哲学の講義を実地に学ぶ機会がある。シニアレベル対象の研修ではアクション・ラーニングと呼ぶ実践形式のケーススタディを実施する。GEグループで起こっている現実の問題点を取り上げ、受講者は問題解決のプロジェクトチームの一員として実際に現地でリサーチし解決案の討議を行い、3週間の研修期間のうちに問題点の分析と解決策を報告にまとめて、最高幹部の前でプレゼンテーションし評価を受ける。その結果によっては解決策がそのまま事業に反映されることもある。
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