ジャック・ウェルチ


ジャック・ウェルチ(Jack Welch)
ジャック・ウェルチ
元ゼネラル・エレクトリック(GE)会長。アメリカ、マサチューセッツ州出身。マサチューセッツ州立大学卒業後、イリノイ大学大学院で化学専攻。1960年GEに入社、すぐに頭角を現し、1968年に最年少ゼネラル・マネジャーに昇格。1981年から2001年まで21年にわたってGE会長兼CEOとして変革に取り組み、1981年から売上高を5倍、純利益を8倍、時価総額を30倍に伸ばし、GEを世界一の株式時価総額を誇る巨大複合企業に育て上げる。
強烈なリーダーシップを発揮し、選択と集中、フラット型組織、学習する組織、境界のない組織、ワークアウト、シックスシグマ、サービス重視など、世界の企業経営をリードするアイディアを次々と生み出し、断固として実行することで、巨大企業をスリムで世界的視野を持つ収益性の高い組織に変えていった。産業界・メディアから、20世紀における最もすぐれた経営者として賞賛されている。
■4Eリーダーシップ
GEの精力的でパフォーマンスを重視する企業文化にフィットするようなリーダー向きの人材をウェルチが発見・育成する上で役に立ったのが、4Eという考え方だった。4Eはそれぞれ影響しあい、重なり合う部分もあるが、エネルギーを出発点に以下のように繋がり、連携したものである。GEにおけるリーダー像はこの概念にマッチしているかどうか、全ての基本はこの4Eである。
Energy | 自分自身がエネルギーに溢れている (仕事を成し遂げる情熱) |
Energize | 周囲を元気付ける (人を刺激して行動させる) |
Edge | エッジを持っている (競争心が強く、困難な決断を下すことが出来る) |
Execute | 実行力がある (結果に結びつけることが出来る) |
■リーダーの評価
リーダーの評価基準は、企業文化・4Eへの共感度合いと、与えられた目標に対する成果達成度を縦・横とする4つの分類によって分類される。
企業価値観を十分に共有し、数字の目標も達成している社員は、タイプⅠ「Aプレーヤー」と呼ばれ、昇進昇格を前提とした将来が約束される。これに対し、いずれの評価も不十分な結果に終わった社員(タイプⅡ)は、解雇の対象となる。一方、価値観を十分に共有しているにもかかわらず数字としての結果が出せなかった場合(タイプⅢ)は、通常は所属部署や役割を変えて、再度挑戦するチャンスを与えられる。結果が出せても価値観を共有できないケース(タイプⅣ)に対しては、指導する立場の上位者が粘り強く同化を促すことになる。それでも本人に価値観を共有しようという積極的意思が見られない場合には、やはり社内でのリーダーへの道は残されていない。
■関連用語