カテゴリー: 経営論&経営革新

“社内公用語の英語化”が日本企業経営に及ぼす影響[会員限定]

今年になって社内の公用語を英語にするという発表を行った日本企業が何社かあります。筆者はこのような動きを日本企業の経営パターンが多様化してきたことの現れとして前向きに評価しています。社内の公用語を英語にするというのは、経営者から発せられる社内外への強烈なメッセージとなります。そこには自社のビジョ…続きを読む

ミニマリズムの時代[会員限定]

日本の電子機器メーカーは、多機能追及の製品・サービスの開発競争を続けています。皆さんも、ご自身でお持ちのデジカメや携帯電話などの機能をほとんど使いこなせていないと感じることは多いのではないでしょうか?しかしながら世界の市場を見渡してみると、ITの世界でもある種のミニマリズムを主眼に置いた製品開…続きを読む

市場を向いた経営?[会員限定]

「企業価値の最大化こそが企業の究極のゴールだ」、「(株式)市場を向いた経営が重要」という論調が、1990年代の終わり頃から日本でも目につくようになりました。しかし、筆者はその考えには懐疑的です。本当に時価総額極大化は、経営がねらうべきゴールになりうるのでしょうか。ここでしばしば見過ごされがちな…続きを読む

企業経営を航海に例えてみる[会員限定]

現在の日本企業の経営環境を考えると、ビジネスを継続して行くために重要なものはガバナンスであると筆者は考えています。筆者の言う本当のガバナンスとは、経営者と株主が彼らの資金を使って企業価値を高めるための事業を如何に展開するかを議論できる関係を持つこと。ここ数年「物言う株主」は増加傾向にありました…続きを読む

完ぺき主義が日本企業の行動を制約する[会員限定]

筆者は現在アメリカで生活していますが、いくつかの出来事から日本とアメリカの経営システムの違いを実感しています。アメリカでは多種多様なバックグラウンドをもつ人材を採用し経営を行っていかなければならないため、各人材の努力で経営能力を磨き企業力を強化するようなことは期待出来ません。そのために欧米企業…続きを読む

日本企業の株主還元[会員限定]

今回は日本企業の株主への配当、還元について考察してみます。株主への還元には株価上昇によるキャピタルゲインと、既存事業が生み出すキャッシュの配当がありますが、基本的にキャピタルゲインは企業の急成長段階において期待されるものであり、成熟期を迎えた場合には増えるキャッシュ残高によって高い配当を受け取…続きを読む

日本企業の自己資本信仰[会員限定]

通常企業が急成長している時期には自社の事業が生み出す以上に投資資金ニーズも大きくなるため、外部からの資金調達ができないと成長の機会を逃してしまいます。そうした場合の資金調達は長期資本からが基本ですが、日本経済の戦後の成長段階におけるほとんどの期間、企業の資金調達は銀行の短期貸付で行われていまし…続きを読む

何が何でも公開病[会員限定]

新しい企業を立ち上げた経営者の方々の中には株式公開を目指す人も少なくないでしょう。しかし、株式の公開はあくまで資金調達の手段のひとつであり、調達した資金で事業をどう成長させていくのか、株主価値を高めていくのかという明確なビジョンや戦略、計画を示せなくてはなりません。欧米では株式公開に伴うディス…続きを読む

戦略なしの経営を続けることはできない~イノベーションの視点から[会員限定]

クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」が出版されて既に10年以上が経過していますが、今日の世界では成功したビジネスを守り続ける事はますます難しくなっています。日本企業にとって今日的な戦略とはどのようなものなのかをイノベーションの視点から考察してみましょう。iPodとiTune…続きを読む

戦略なしの経営を続けることはできない[会員限定]

昨今、企業経営において「戦略」という言葉は頻繁に使われるようになりましたが、日本企業の経営幹部になるような人々でさえ自社の戦略を明確に説明できる人は少ないと筆者は感じています。企業経営の歴史を紐解きながらその原因について考察してみましょう。資本市場の国際化により外部環境が急速に変化する今日、日…続きを読む

いざなぎ景気を超えて~『不易流行の経営学』

日本経済の景気拡大が続いています。このまま続いて戦後最長の「いざなぎ景気」を超えることがほぼ確実視されていますが、今回の景気拡大には期間だけではなく、力強さがあるといわれています。 筆者は、この景気拡大の源と持続のカギは、松尾芭蕉の説く「不易流行」にあるのではないかと考えています。今の景気拡…続きを読む

利益に直接貢献しない業務の存在と全体最適

前回示したモデル企業の営業マンに利益に直接貢献しないような業務を加えてみたとき、会社の全体最適がどのように達成されるかについて考察を進めていきます。 コストセンター的な業務を営業マンが自ら行う場合、アウトソースする場合、社内にその業務を専門に行う人材を抱えた場合について比較してみると、営業マ…続きを読む

全体最適を実現するひとつのアプローチ

企業の部分最適と全体最適についての考察が進みます。一つの変数をみながら社員が合理的に判断して行動すると、結果として企業全体の最適が図られるような変数はないのでしょうか。モデルケースをもとに、全体最適を実現するアプローチについて具体的に考えていきます。 最近批判が多い、成果主義や目標管理制度は…続きを読む

部分最適と全体最適

経済学では、稀少な資源を如何に有効に使うかが人類にとって重要な問題であるという前提のもとに、基本的ないくつかの問題をさまざまな学者たちが研究してきました。 かつて経済学を学んだ筆者は、最近になって、経済学の理論が人事制度や人材の育成・配置などに適応できるのではないかと思うようになりました。企…続きを読む

企業再生って、実は...。(その2)

前回のコラムで、企業再生の決め手のひとつは組織の力ではなく実は個人技であるということをご紹介いたしましたが、今回は二つ目の決め手について、続けて解説してまいります。 以前は、企業再生というと社長を送り込む、というのが常道でした。しかし、「真性」企業再生を個人技で行う基本メカニズムを考えると、…続きを読む

企業再生って、実は...。(その1)

ここ最近、企業再生という言葉を耳にする機会が多くなっていますよね。でもその内部で起きていることというのは実際に関わらなければわかりません。そもそも再生って言っても何するの?という方がほとんどなのではないでしょうか。 もはやブームに近い様相を呈する企業再生ですが、筆者は「真性」企業再生の成否の…続きを読む