Leadership Insights / 高木 進吾
筆者は様々な会社で研修やワークショップを行っていますが、開始時に行うアイスブレークによって、その会社の組織文化や仕事の進め方の特徴などが良く見えてくるのだと言います。特に、参加者の戦略的思考が不足している場合ほど、ワークショップ後の苦情・文句が多くなるそうです。戦略的思考とは、「目的から逆算し、状況や制約条件を考慮した上で最大限の工夫をする」という思考能力であり、それを参加者の方に身に着けていただき実践していただくことがその後の成果や実践の場に直結すると筆者は考えており、その観点からのアドバイスを細かく行うように心がけています。こうした戦略的思考が身に着き、勘所をつかむと、参加者の主体性はどんどん引き出されていくのです。
 
今回のコラムでは、問題解決に必要な二つの「シコウ」について考察してみます。二つの「シコウ」、一つ目は、問題解決志向、目線を上げて考えてみるということです。目線を上げるために欠かせないのはステークホルダーや顧客の視点です。二つ目のシコウは問題解決思考、頭を整理することです。事例をもとに、どのようなアプローチで問題解決を進めるべきかを考えてみましょう。まずは身近な例にあてはめて使ってみてはいかがでしょうか。
 
最近、筆者が非常にパフォーマンスに関係すると実感しているのが“機嫌”です。内田樹さんによれば、「危機的局面」において人間は上機嫌になるものだそうで、それは精神論的な教訓ではなく、追い詰められた生物が生き延びるための戦略であるそうです。筆者の経験している様々な局面でも、人が上機嫌になるシーンというのは、必ずしも取り組みが順調に進んでいるとは限らない時であり、むしろ一生懸命やっているときに思いっきりダメだしをされたときなのです。ビジネスの現場では“機嫌”よりもモチベーション、やる気という言葉のほうがよく使われますが、今後は“機嫌”に関しても個人、組織全体のパフォーマンスを促進するためのアプローチになりうると筆者は考えています。
 
筆者は最近日本ラグビーフットボール協会の中竹竜二さんが書かれた本を読み、非常に共感を覚えました。そこでご本人に直接会いに行き、話をする機会を得ました。その際に、中竹さんから出た「大人の学びには痛みを伴う」という言葉が筆者の心に突き刺さりました。もともとは成人教育学者のジャック・メジローが提唱する考え方がベースにあるもので、変容的学習ともいわれる考え方です。そこで筆者は変容的学習について自分なりに解釈し、人材育成における具体的な活用方法について考察します。人材育成や研修の場面において、痛みをどのように形成し、学びや成長に結び付けていくのかを筆者はどのように考えているのでしょうか。
 
筆者は最近、説明が求められるあらゆるシーンで「具体的」「分析的」「手段的」なアプローチに偏っている人が多いのではないかと感じています。その原因は日々本質を考えることを意識しているにもかかわらず、実際には、本質に迫るアプローチから遠ざかっているからではないかと考えています。その要因として筆者が挙げているのは、2点。ひとつは、仕事の内容や結果を「見える化」することにこだわりすぎたことで、仕事の細分化が進みすぎてしまったため。もうひとつはスキル的な要因で、平たく言えば「国語力」の低下です。筆者はこのような状況を打破するにはどうしたらよいのかについて、いくつかのヒントを出しています。