Leadership Insights / 大城 昭仁
2ケタ成長の時代が終わり、人件費も高騰、現地企業が実力を付けたため競争は激しくなるばかり、おまけに政治リスクが常につきまとう現在の中国。とはいえ、現地で見ていると“腹を決めて”中国戦略を邁進する企業も増えてきています。最近、このような企業の動きとして、統括会社の機能強化が目立っています。しかしながら、これまで事業部門主導で中国進出を行って来た日本企業にとっては、統括会社の機能強化は想像以上に難しく、 “インテグレート”が進まないケースが散見されています。このような状況を打破し、統括会社と事業会社が共通の目的の下にベクトルを揃えていくため、戦略の摺り合わせと同時に、「選抜研修」を通じた人材交流や、共通言語や共通の組織文化を形成していくような「組織開発」の取り組みを行う企業が増えてきているのです。
 
海外駐在の前に実施される定番の研修に、異文化コミュニケーション研修があります。筆者は、駐在員が直面するコミュニケーションギャップの原因は本当に「異文化」によるものなのか、という疑問を抱きました。少なくとも中国においては、「異文化」だけでは説明のつかないことがあるからです。様々な調査を見てみると、日本と中国の文化は近いという結果が出ているのですが、現場感覚として、大きな価値観の違いを感じる人は多いようです。 世間で言われている「異文化」の議論は、理論のみで語られたり、あるいは海外経験の長い個人の体験談を過度に一般化したものがほとんどです。筆者は、ノウハウとして本当に役に立つものは理論と実践の突き合わせの中で形成された持論であり、駐在員研修などの場面では、そのような持論の形成を促していくことがグローバルリーダーの育成には非常に重要ではないかと感じています。
 
中国では通常、リーダーシップのことを「領導力(リンダオリー)」と訳します。しかし、この言葉が指すものは「リーダーシップ」よりも意味の範囲が狭く、そのことが中国現地法人のリーダーシップ開発にとって足かせになっているかもしれないと筆者は考えており、「領導力」を補うリーダーシップの訳語として「主導力(ジューダオリー)」という造語を使っています。今回は、2つの言葉を使うことになった経緯のお話を通じて、中国でのリーダーシップ開発の現状と課題をお伝えしたいと思います。
 
企業の競争力創出の打ち手として組織開発・人材開発に対する期待は今、大きく高まっています。スピーディーにそのような新たなものを取り入れつつも、的確にそれを評価、選択、改良しながら自社にあった方法論を確立していくことはとても重要です。人材に対して効果の高い打ち手を的確に打っていくために、そして、必要な投資に対して社内外の納得を得るために、効果を検証し明確に示すことの重要性は今後さらに高まっていくことは想像に難くありません。今回はまず、何のために人材投資の効果を検証する必要があるのか?という事について考えてみましょう。効果検証のキモは、必要な「結果の精度」と検証自体の「効率」をどこで折り合いをつけるか?を決めることと言っても過言ではありません。
 
これまでに100以上のアクションラーニング型プログラムの設計・運営に携わっている筆者が、プログラム設計の手順について説明します。アクションラーニングは、複数の目的を持つことが多いので、プログラムは自ずと多くの変数を持つことになります。しかし、その変数には逆相関を持つものも多く、この「複雑性」が担当者の悩みの種となるわけです。様々なプログラムを企画した筆者は、試行錯誤を経て生み出した6つのステップに従って検討することで、プログラムの成功確率が格段に上がると言います。この考え方は、通常の研修プログラム設計にも応用できます。具体的な事例の紹介もありますので、是非参考にしてみてください。