Leadership Insights
筆者は仕事上さまざまな業界のさまざまな企業の方々から、ご自身の事業の「戦略」なるものについてのお話を伺う機会があります。その「戦略」なるものが戦略としてよくできているかどうかには筆者なりの判断基準があるのですが、それは「ストーリーになっているか」ということです。戦略が機能する上で絶対の条件とは、その戦略の実行にかかわる社内の人々を面白がらせ、興奮させ、彼らを突き動かす力をもっていることであると筆者は考えており「ストーリーになっている」戦略にはその力があるのだと言います。
 
新しい企業を立ち上げた経営者の方々の中には株式公開を目指す人も少なくないでしょう。しかし、株式の公開はあくまで資金調達の手段のひとつであり、調達した資金で事業をどう成長させていくのか、株主価値を高めていくのかという明確なビジョンや戦略、計画を示せなくてはなりません。欧米では株式公開に伴うディスクロージャーやガバナンスのコスト負担が重くなってきたことから未公開企業に戻す動きもあるのです。
 
筆者は最近ある企業から、経営幹部に対して講演をしてほしいという依頼をうけました。売上と利益を2倍にするための戦略論、しかも具体的な方法論を紹介してほしいというのが社長のリクエストだったため、実際に過去3年間で売上高・利益を二倍に伸ばした企業の特徴を調べてみたところ、ある共通点でいくつかのパターンに分類することが出来ました。さて、そこにはどのような共通点や特徴があったのでしょうか?
 
これまでのコラムで潜在需要を如何にキャッチするか、そして潜在需要を顕在化するにはどうしたらよいのかを論じてきました。最終回の今回では、潜在需要を顕在化させる上で乗り越えなければならない二つの大きな壁について考えていきます。その壁とは、研究開発資源を投入すればするほど性能や機能を引き上げても必ずしもそれが顧客価値の向上に結びつかないという「顧客価値の壁」とお金を払ってでも欲しいと思うかという境界線をどう見極めるかという「価格の壁」です。
 
日本企業の中でも、製造メーカーは成長市場が出現すると、多くの場合設備投資を増額し、成長の波に乗って優位性を確立しようとします。しかし、個別企業のミクロレベルでは妥当に見える戦略も、複数の、それも強力な競合が同時に同じような戦略で臨んだ場合、マクロレベルではそうした戦略が妥当でなくなる場合が多いと筆者は指摘します。