Leadership Insights
筆者は最近「わけがわからない」ことの重要性を感じる出来事に立て続けに遭遇しました。その体験をもとに、「わけがわからない」から得られるものが何なのかを考えてみたのです。わかっている(つもりの)中で、あれこれもがくよりも、わけがわからない中でも、もがいてみること、そこに価値の源が潜んでいるのではないかと筆者は言います。つまり、自分の認知の壁を超えるところにこそ今の自分を超えるヒントが転がっているのではないかということです。
 
営業組織改革を手がける筆者が、最近感じていることのひとつに「営業企画部門」の役割の変化があります。これまでの時代には営業のアシスタント、バックオフィス的な役割として捉えられてきた営業企画部門に、新たな役割が期待されていることが経営幹部へのヒアリングからわかってきました。それは、営業部門改革のリーダーシップをとること。しかしながら、当の営業企画部門ではこれまで行ってきたことと今後求められることのギャップに戸惑いを感じてしまうことがほとんどのようです。それでも果敢に、新たな役割を担った営業企画部門として生まれ変わるためにはどのようなことに留意すべきなのかについて、考えていきます。
 
今年は「組織の環境適応能力の開発」がこれまで以上に話題になるのではないかと筆者は感じています。そのような課題意識を持つようになったきっかけはお客様からお聞きする育成すべきリーダー像がぶれてきていると感じるようになったことです。これからは人材モデルの規定と同じかそれ以上に重要なこととして、組織としての環境対応能力(組織としてのコンピテンシー)を考えていく必要があるのではないでしょうか。
 
種の起源を著したダーウィンは「生き残るのは強いものではない、変化に対応できたものが生き残るのだ」と言っています。人間はその変化対応能力の高さから現在のような繁栄にいたったと言っても過言ではないでしょう。企業においても、経験から学ぶ、学びを共有することは変化対応能力の中核となるものです。しかしながら経験から学ぶ能力が低い人も少なくありません。筆者は個人が頭の中で仮説検証のサイクルをまわし学習するだけでなく、それを組織で共有する仕組みが重要であるといいます。その仕組みを推進することがリーダーの重要な役割なのです。
 
師走も中盤になり、今年を振り返っている方も多くいらっしゃることでしょう。今年は昨年から続く世界同時不況の影響が実感としてやってきた年でもありました。厳しい環境の中、削減された予算の中で発注する側としても、行う打ち手が確実に成果を求められた一年だったのではないでしょうか。このような状況の中では、よりいっそうソリューション営業の真価が問われることになります。そのような環境下でも売り上げを維持することができたソリューション営業担当者の共通点を筆者は二点挙げています。しかしながら、筆者がもっとも重要だと考えているのは、組織内にはそのポイントを「分かっている人」と「分かっていない人」が混在しており、「分かっている人」の暗黙知を形式知化し「分かっていない人」が行動として徹底できるレベルに引き上げていくことなのです。