Leadership Insights / 土井 哲
近年、組織文化に対する注目度が高まっています。筆者自身も企業変革に関わる仕事をしていると、組織文化そのものが変革のボトルネックになることもあり、組織文化変革に取り組む必要性を痛感しています。そんな折に、とある依頼がきっかけで、自社の組織文化を可視化し、議論するためのダイアログマットというものを開発しました。これまで、いろいろな会社で、このダイアログマットを使って、自社の組織文化を可視化し、議論していただきました。もちろん、どのような組織文化が良い、悪いというわけではなく、自社の進むべき方向性、戦略に、組織文化が整合しているかが重要になってきます。
 
弊社で実施しているアクションラーニングプログラムは経営課題をテーマにする場合がほとんどで、最終回では自社の経営陣に対して戦略的な提言を行います。そんなとき、「こういう組織を作るべき」という組織の新設の提案はたいてい経営陣からの"受け"が悪いのだと筆者は言います。今、筆者はある会社でアクションラーニングプログラムを担当していますが、あるチームの提言内容が組織論に傾き始めました。組織論を出してしまうと経営陣には受けが悪いということを理解し納得してもらうために、なぜ組織論が受けないのか、改めて論理的に説明するとどういうことになるのかを考えてみました。
 
当メールマガジンでも連載当初にコラムでご紹介いたしましたが、一橋大学の楠木先生が執筆された「ストーリーとしての競争戦略」はビジネス書のベストセラーとなり、発売からかなり時間が経った今も店頭の目立つ位置に積んである書店をよく見かけます。お読みになった方も多いのではないでしょうか。こちらの本の発売以来、筆者は、戦略の研修のご依頼を頂く中で、“戦略ストーリー”を考えさせたい、ストーリーを作れる人材を育成したい等のご相談を受けることが増えました。ストーリーの作り方には色々あると思いますが、筆者は3段階のステップで考える“エイ、エイ、オー”という方法論が有用であると考えており、その内容について解説します。
 
前回のコラムでは、顕在化した問題を特定する方法について解説しました。今回は、課題の特定、潜在的問題の特定にフォーカスし、その方法についてご紹介いたします。最初の問いを設定しなおすことで、ツリーの構成要素の述語が微妙に変わってきます。それによってチャレンジすべき課題を明らかにしたり、将来の潜在的な問題を浮き彫りにすることが出来るようになります。筆者は戦略構築のワークショップやアクションラーニングの仕事を通じて、このようなアプローチの重要性が高まっていると感じており、イシュー・アナリシスを常に行って現状に満足せずに課題を発見していくことが日本のビジネス・リーダーに求められているのだと言います。激しい環境変化と企業間競争に対応していくためには、顕在化した問題だけではなく、潜在的な問題を浮き彫りにすることで、将来の問題・課題に備えていかなければならないのです。
 
先日仮説検証型のイシュー・アナリシスについての解説したコラムをご紹介いたしましたが、多くの方よりご好評を頂きました。そこで今回はその続編として問題・課題発見型のイシュー・アナリシスについてご紹介いたします。このコラムでは、高い視点からの問題発見やまだ顕在化していない問題の早期発見をどのように行うかについて解説していきます。“問題解決”というテーマはビジネス書や研修などでも多く取り上げられるテーマですが、問題解決で最も重要であり難しいのは、問題や課題を発見することなのです。自立/自律型人材の重要性が叫ばれて久しいですが、問題・課題発見能力はその重要な要件なのです。