Leadership Insights / アドバイザリーボード・コラム
欧米でも日本でも、右肩上がりではなくなってしまった変化の激しい時代に、企業とそこで働く人双方の持続可能性の両立はこれまでの人事の考え方の延長では難しいことが明らかになりました。そろそろ人事が経営の勉強をしっかりとして経営の言葉で人事を語り、どのような形で人事が優位性構築のために力になれるのかを人事から発信し、仕掛けていくべきだと筆者は言います。変化の激しい時代に人と企業の双方の長期の持続可能性を創造する、他社との違いを生み出すような組織ビジョン、人材マネジメントビジョンを考えるときなのではないでしょうか。
 
今年の大学新卒の内定率は、就職氷河期を下回っていると言われています。ところが一方で新卒の有効求人倍率は就職氷河期時代より大分に高いようです。この状況から、アンマッチ問題が深刻化してきているのではないかと筆者は考えています。その中でも目立つのは、「何がやりたいのかわからない」と就職活動自体のモチベーションが高まらず、求人企業があっても就職活動そのものからドロップアウトしてしまう学生の姿です。より深刻な問題は、「やりたいことが見つからない」という理由で就職しない人が増えていることなのです。
 
種の起源を著したダーウィンは「生き残るのは強いものではない、変化に対応できたものが生き残るのだ」と言っています。人間はその変化対応能力の高さから現在のような繁栄にいたったと言っても過言ではないでしょう。企業においても、経験から学ぶ、学びを共有することは変化対応能力の中核となるものです。しかしながら経験から学ぶ能力が低い人も少なくありません。筆者は個人が頭の中で仮説検証のサイクルをまわし学習するだけでなく、それを組織で共有する仕組みが重要であるといいます。その仕組みを推進することがリーダーの重要な役割なのです。
 
キーフレーズで考えるシリーズ、今回取り上げるテーマはネットワーク形成についてです。言うまでもなく個人のキャリアは自分の力だけで作ることはできません。自分のキャリアや人生を振り返るとネットワークや自分を取り巻く人たちとの関係が如何に重要であるか皆さんも実感されることでしょう。クランボルツ教授の曰く「よい偶然が沢山起こる人と起こらない人がいて、その違いは日ごろの行いにある」のです。では、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
 
今回はキャリア形成についていくつかのキーフレーズで考えていきます。「新しい環境には適応すれど同化せず」「キャリアは目標ではなく習慣で作られる」「辺境の仕事・辺境の組織がキャリアを強くする」「好きなことと向いていることは違う」「二番目に得意なことを仕事にする」以上、5つのキーフレーズはそれぞれご自身のキャリア形成を振り返るきっかけになる示唆に富むものばかりです。皆様もご自身のキャリアについてあらためて考えてみてはいかがでしょうか。