企業財務の視点からみたアベノミクス[会員限定]
2012年末の総選挙で首相となった安倍晋三氏のもとで、日本経済の再生を目指すための経済政策が打ち出されました。アベノミクスと呼ばれる経済政策は、日銀による積極的な金融緩和、政府の財政出動による総需要の拡大、産業政策による成長分野への支援、という3つの主要な柱があります。今回はこのアベノミクスの…続きを読む
2012年末の総選挙で首相となった安倍晋三氏のもとで、日本経済の再生を目指すための経済政策が打ち出されました。アベノミクスと呼ばれる経済政策は、日銀による積極的な金融緩和、政府の財政出動による総需要の拡大、産業政策による成長分野への支援、という3つの主要な柱があります。今回はこのアベノミクスの…続きを読む
OECDが2011年に実施した幸福度調査は興味深い結果を示しました。日本の客観的な数値で測れる幸福度は世界の中でも上位に位置するのですが、主観的な幸福度は下位グループに属するのです。この結果に疑問を持った筆者は、この謎を解く鍵になりえるキーコンセプトを行動経済学の世界的権威であるダニエル・カー…続きを読む
東日本大震災とその後に発生した原発事故から始まった東日本の電力不足は、その後、日本全体の問題に発展しています。皆さんのオフィスでも節電が迫られ、色々と大変なことも多々おありなのではないでしょうか。企業研修の現場でも、影響はけして小さくありません。しかしながら筆者は、今回の電力不足がきっかけとな…続きを読む
スタンダード・アンド・プアーズによって2011年1月27日に日本の長期国債の格付けが引き下げられました。首相の発言などによりそのことが話題になりましたが、今回のコラムでは国債の格付けと日本の金融市場について過去にさかのぼり考察していきます。何故格付けが引き下げられたのか、また、過去に引き下げが…続きを読む
みなさまの中にも既にフェイスブックに登録されている方はいらっしゃると思いますが、2004年に創業したフェイスブックへの登録者数は既に全世界で5億人を越え、昨年1年間のフェイスブックへのアクセス数はグーグルを越えて、いまや世界最大のウェブサイトとなっています。そのフェイスブックの創業者であるマー…続きを読む
国の経済力や競争力、国民の豊かさを考えるとき、私達はすぐにGDPなどに代表されるフロー指標に目が行きがちです。しかし、フロー指標に注目する限り、少子化と高齢化で生産年齢人口が減少し続ける日本が、若年人口の増加著しい新興国と互角に勝負するのは基本的に無理があると筆者は言います。目を転じて価値競争…続きを読む
前回のコラムでは、日本がまさに八方塞の状態に陥る可能性が高いことを論じましたが、今回、日本が再び成長への活力と輝きを取り戻す手立てはあるのかどうかについて考察してみます。筆者は日本には「擬似鎖国国家」になれる選択肢があるのではないかと提唱します。敢えて鎖国というキーワードを軸にこれまでの経済モ…続きを読む
バブル経済が崩壊した年である1990年から2000年までの10年間は「失われた10年」と称されます。しかしながら、国民一人当たりGDPで見る限り、失われたのはむしろ2000年以降の10年のようです。「諸外国と比較して日本は豊かな国」とは、もはや言い難い状況になっています。日本が豊かさと活力を取…続きを読む
今年の春にGMが破産してからさまざまな再建策が打ち出されていますが、年末になってまた大きな動きがありました。ヘンダーソンCEOの事実上の解任と、ヨーロッパの現地ブランドであるOpelとSaabの売却中止が打ち出されたことです。これらが自動車業界にどのような影響を及ぼすのかについて考えていきまし…続きを読む
過去20年間、アメリカの自動車会社はヨーロッパの自動車会社を次々と買収してきました。しかし、アメリカ本国の経営が悪化するに伴い、これらヨーロッパの自動車会社は売却されています。こうした自動車会社は、その所有者が次から次へと変わっていても新しい所有者のもとで存続しなければなりません。こうしたヨー…続きを読む
昨年の金融危機が引き金となって、世界規模で多くの産業の需要が急速に落ち込み、業界の再編も加速しています。そうした中で自動車産業はその規模、雇用者数の大きさから、各国政府が新車需要の落ち込みに対して供給側にも需要側にも手厚い対応をとっていますが、筆者はこうした政府による自動車産業へのてこ入れは大…続きを読む
昨今従来のモノの価値は成熟しコモディティ化が急速に進行しています。モノに変わる新たなビジネスの主役は「ヨロコビ」の経済価値だと筆者は言います。これからの新たな価値パラダイムは消費者を喜ばせる競争になるのです。このような新しい環境の中でマーケティングを担うリーダーとして新たに必要になる資質は何な…続きを読む
今回はBank Of Americaのメリルリンチ買収を巡る話を取り上げます。Bank Of Americaは銀行業務のM&Aの達人と言われてきましたが、メリルリンチの買収は彼らにとって最大級のM&A案件であり、業態も銀行業務とは異なっているため、これまでのM&Aとは勝手が違い、インテグレーシ…続きを読む
その1に続き、「価値」という切り口から市場経済のもつ二重構造について考えていきます。実際のビジネスにおける「価値」は「顧客が感じる価値」を指しています。つまり、仮に本当の価値があったとしても、顧客がどう感じるかでその価値は大きく変わるのです。ジョージ・ソロスも「価値と価格にリンクがあるなんて初…続きを読む
伊藤氏のOS講座は、対話形式(非学校形式)の少人数制の私塾です。テーマとなる書籍4~5冊を事前に読み込み、それぞれの著者の世界観を解釈し、それらの書籍全てを合わせた世界観・時代観の翻訳をしていきます。参加者は、この翻訳作業という対話の中から、自らの世界観・時代観を磨いていくのです。今回から数回…続きを読む
前回のコラムで、富裕層の形成につれて貨幣が通貨と資本に分化していったことをご紹介しました。今回は、ドイツやオーストリアで地域通貨として実際に使われた「自由貨幣」を例に貨幣の価値と資本の関係について考えていきます。筆者は現在の通貨と資本の比率のゆがみを是正するには、通貨と資本を分離し、新たな貨幣…続きを読む
米国のサブプライムローン破綻に端を発した今回の世界的な経済危機については、このメールマガジンでも何回か取り上げていますが、筆者は金融理論などの専門家ではないのですが、多年に亘る経営実務経験などから考えても、今回のような状況はおかしいと思わざるを得ないと言います。今回の経済危機を起こしたといわれ…続きを読む
2008年11月にワシントンでG20が開催されました。この会議では根本的な原則についてアメリカとそれ以外の国の間で意見の対立があり、具体的な対策には合意がなされませんでしたが、数少ない合意事項の中に、サブプライムローンを証券化した債券にトリプルAの格付けを与えていた格付機関の規制強化がありまし…続きを読む
深刻さを増してきた世界規模での金融危機は日本金融市場も巻き込んで東京証券市場の株価も大幅に下落しました。今回の金融危機に対して日本政府は対策を打ち出していますが、中にはその効果が疑わしいものがいくつも紛れ込んでいます。今回は、その中でも特に問題と思われる時価会計原則の一時的な停止と空売りの禁止…続きを読む
今回のアメリカの金融危機は日本の90年代から2000年代にかけてのバブルの崩壊、金融危機の発達と似ている部分もありますが異なる点も多くあります。日米の金融危機の類似点、相違点を2部に亘って検討してみます。その1では金融危機そのものの形態について、その2では金融危機に対する対処法の違いについて考…続きを読む