Leadership Insights / 組織人材マネジメント起因のリスクを考える[会員限定]

組織人材マネジメント起因のリスクを考える[会員限定]

(2014年09月25日)

組織人材マネジメントには、日常のルーティンワークを別として、大きく二つのタイプの仕事がある。経営が意思をもって決めたビジョンや戦略を実行するために行う攻めの人事と、経営的に大きなダメージを未然に防ぐために行う守りの人事である。

ある大手のサービス業の企業で、役員がこう述べていた。「うちの会社はいままで多くの新事業新業態を手掛けてきた。成功したものも失敗したものもある。失敗したものに共通することは、その事業を成功させる人材が確保できていなかったということだ。」今の時代は戦略を絵にかいても、それを推進できる肝心の人材が確保できなければ、まさに絵に描いた餅になるというタイプの戦略がほとんどだ。そもそも人材像は正確に把握できているか、それに合った人材の調達や育成ができているかだ。何度も自分の本で書いているが、1990年代のITソリューション事業の迷走、それに伴う巨額の特損は、この問題、つまりソリューション人材の定義と調達育成の失敗が背景にある。

一方で守りも重要である。過去日本の人事は守りを重視して仕事をしてきたと思う。高度成長時代の総額人件費管理、バブル崩壊後のポスト不足対応のための職能資格制度や専門職制度、初期の均等法対応などだ。制度改定の時には、大きなビジョン実現をお題目に掲げ、攻めの人事であるように見せることが多いが、実際は社員のモチベーション維持といった内的な問題への対応、均等法のような外的環境変化への対応といった、受け身の対応が起点になっていることがほとんどだ。

日本でダイバーシティーがなかなか進まなかったのも、外的変化への受け身対応の域をなかなか出なかったからではないか。今やダイバーシティーは攻めの戦略に変わろうとしており、遅まきながらギアチェンジが行われている会社が少なくない。

一方、守りの人事の重要性は低下したかと言えば、そうではない。パンデミック対応のような外部からの脅威に対する防御も重要だが、今の時代だからこそ重視しなければならない組織人材マネジメント起因のリスクがある。

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