Leadership Insights / いま改めて「情報」について考える~情報を見極める力~[会員限定]

いま改めて「情報」について考える~情報を見極める力~[会員限定]

(2010年06月10日)

さて、前回「情報」という言葉が “戦いにおける情状の知らせ”という意味の軍事用語として誕生したことをご紹介しました。その後序々に広まっていくのですが、使われるのはもっぱら軍事教本や戦争関連報道の中でした。さらに、太平洋戦争時には国家機関として「情報局」が設置され、新聞・雑誌・書籍などに対するいわゆる言論統制が行われました。当時の一般市民にとって、「情報」という言葉はマイナスイメージこそあれ、自分たちの生活に役に立つといったようなプラスの要素はなかったことでしょう。

戦後になり、情報を数学的に論じるInformation Theory(情報理論)が日本に導入されるようになると、英語のInformationの訳語として「情報」が充てられるようになりました。前回もご紹介した小野厚夫神戸大学名誉教授の研究によると、戦争の記憶をよみがえらせる「情報」という言葉がすぐに一般化したわけではなく、当初は「インフォメーション」とか「インホーメーション」などとそのままカナ書きされることも多かったようですし、1960年に日本情報処理学会が設立された際にも、「情報処理」という言葉を使うことに対する抵抗感は大きかったそうです。それが、1960年代に入ると、学術的用語として頻繁に使われるようになり、大学にも「情報」工学科などといった学科名が登場するようになり、さらに社会学や経済学の分野にも入り込むようになって、今日の「情報」の氾濫に至ります。

こうやって歴史をたどって見ると、こんにち「情報」という言葉の意味するところが広範囲に渡りつかみどころがないのには、このように、もともと軍事用語であったものが時代の変遷に伴って意味合いが変化したり充てられる外国語が変わったりしてきたことにひとつの要因がありそうです。さらに、形を目にしたり触ったりすることができないということとも相まって、業界によって、人によって、時と場合によって…それぞれに、いわば都合のいいように解釈され定義づけられて使われているのが「情報」という言葉なのです。

インターネットが普及してあらゆる情報がネット化され、大量の情報が簡単に入手できるようになりました。同時に、あまりにも量が多すぎて処理しきれなかったり、様々な種類があるために何を頼りにすればよいかわからずにただ翻弄されてしまったり、という状況が引き起こされています。

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