Leadership Insights / OS講座:市場経済の中の贈与経済-その逆ではなく-その1[会員限定]

OS講座:市場経済の中の贈与経済-その逆ではなく-その1[会員限定]

(2009年03月05日)

*伊藤氏のOS講座は、対話形式(非学校形式)の少人数制の私塾です。
OS講座では、テーマとなる書籍(一見ビジネスとは距離のあるようなものも含む)4~5冊を事前に読み込みます。そして、それぞれの著者の世界観を解釈し、テーマとなる書籍全てを合わせた世界観・時代観の翻訳をしていきます。参加者は、この翻訳作業という対話の中から、自らの世界観・時代観を磨いていくのです。
今回から数回に分け、OS講座のエッセンスをお届けいたします。対話形式の内容をまとめることは困難ではありますが、できる限り講座の雰囲気を残した編集を行いましたので、是非ご一読ください。(編集責任:リーダーシップインサイト編集部)



はじめに

今や、ビジネスで成功するには、ビジネスだけを見ていてはだめです。世界の今、つまりは政治・経済・文化そして科学を、立体的に習得する。つぎに、歴史の文脈を踏まえて、それらをビジネスの「世界観・時代観」に翻訳する。さらに、ビジネスは何であって何ではないのかを俯瞰する。

これが、私の言うところの「OS」(オペレーティング・システム)です。

このOS講座では、私が日頃どのように考えているのか、その「方法とプロセス」をお話しています。お話している「内容そのもの」を知識や情報として学ぶのではなく、みなさんご自身が、自らの「世界観・時代観」を磨く。そのたたき台として活用して欲しいと思います。

(株式会社エッセンティア代表取締役伊藤修)




■市場経済の中の贈与経済-その逆ではなく-その1
(OS講座(2006年3月3日)より)


(1)『零度の社会』(荻野昌弘 世界思想社)
(2)『ギフト』(ルイス・ハイド 法政大学出版局)
(3)『宗教都市大阪前衛都市京都』(五木寛之 講談社)
(4)『東大生はバカになったか』(立花隆 文春文庫)
(5)『知の編集工学』(松岡正剛 朝日文庫)

われわれが市場経済に生きているのは、まあいいでしょう。これを認めた上で、「市場経済に巻き込まれると、とんでもないことになる」ということは、みなさんご承知の通りです。この中で、少し違った経済をしなきゃいけない。それが「贈与経済」ということです。

経済活動の基本は、「価値」と「お金」の交換です。このときに、この交換はどういうものでなければならないかということに対するみんなの暗黙の了解があります。基本は、まず「等価」であるということ。かつ、「即時」交換です。「すぐに等価のものを交換する」ということが大前提です。この等価が崩れると、「詐欺」と言われるわけです。

私がコンサルタントになってから、「職業は何ですか」と聞かれたときに、経営コンサルタントという怪しげな職業を、なかなかわかってもらえませんでした。半分冗談半分本気で、「まあ詐欺師ですね」と答えていたんです。

ある時、『零度の社会』(荻野昌弘 世界思想社)を読んで非常に感銘を受けました。詐欺師を肯定的に扱っているんですね。そういう本はありません。この本を読み、(詐欺師のような)そういうものがあって初めて市場経済が成り立っているということに、なるほどな、と思ったんです。

ビジネスでは、これがどう解釈するかということを考えてみましょう。

実は、われわれは、無意識のうちに、結構こういうことをやっているんですね。つまりどういうことかというと、「等価」「即時」にしないようにしているのです。思い当たることはありませんか?

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