Leadership Insights / 徹底力…あなたはどこまで「しつこい人」ですか?

徹底力…あなたはどこまで「しつこい人」ですか?

(2005年11月17日)

「あの、延々と続くパター練習…こんなにも単調なことを、自分ほど徹底してやれる人間はいない」(タイガー・ウッズ)


「経営において必ず意識しているのは①前進②徹底力③考える。中でも重要なのは徹底力。多くの人は97%の努力をしてやめてしまう。自分は100%常に完璧に全精力を使って、すみずみまでこだわり細部にわたって作る。その最後の3%が成功するかしないかの分かれ道だ」(楽天・三木谷社長)


どうやら成功のひとつのカギは、「徹底力」にあるらしい。


「徹底」の定義を、インターネットの辞書で調べてみた。


「徹底」
1 中途半端でなく一貫していること。
2 すみずみまで行き届くこと。


何とよく出来た定義だろう!これは、まさに「ハイパフォーマー人材/組織」の共通項だと私が常々考えていることと一致している!
私は仕事柄、「問題解決力」「マーケティング力」「サービス力」といった、それぞれの分野に長けている企業の調査・分析をすることがある。そして調べれば調べるほど痛感するのは、実はその会社にしかないような「秘伝のタレ」などがあるわけではなく、むしろ当たり前のことを「徹底」して実行する、その度合いがケタ外れに過ぎないのだ、ということである。インタビューしても、「いやあ、わが社(あるいは「私」)に特別な秘訣があるとは思えないですよ。ほんと、当たり前のことをやっているだけなんですよ」と言われることが圧倒的に多い。


では、徹底力に必要な条件は何か。私は、「(1)目標の納得感」「(2)集中力」「(3)しつこさ」の3つだと考える。


(1) 目標の納得感:

いわゆるSMAC(「Specific(具体的)」「Measurable(計測可能)」「Achievable(達成可能)」「Challenging(挑戦しがいのある)」なものであるかどうか。人間の脳は「具体的で、実現シーンやそのときの達成感はイメージできるが、本当に実現できるかどうかはやってみないとわからない微妙なもの」に強く反応し、動機付くものだ。そういうことは、徹底して取り組める。


(2) 集中力:

極論すれば、やると決めたらそれ以外のことはやらない、考えないということである。強い個人・組織にはそんな、わき目を振らない「一途さ」を感じる。


(3) しつこさ:

「とにかくしつこく考える、行動する」ということである。そして、私はこれがもっとも重要だと思っている。「なぜなぜ5回」ならぬ「なぜなぜ100回!」くらい考える人。壊れたテープレコーダーみたいだと社員に言われてもなお、自分のビジョンや理念を繰り返し語り続けるリーダー。「コツコツ」という音が聞こえてきそうなほど、全員で愚直に課題に取り組む組織。研修やコンサルティングをやっていても、同じテーマ一つに取り組んでもよくこれだけの知恵が出るなあと感心させられる人をしばしば見かけるが、そこに感じるのは才気走ったアタマの切れ味よりむしろ、どこまでも考え抜くしつこさ、しぶとさである。


最後に、とてつもなく「しつこい」男の話をひとつ。


彼の名はアンドリュー・ワイルズ。「フェルマーの最終定理」という、300年以上の間、誰も解けなかった数学の難問中の難問を解いた、イギリスの学者である。
ワイルズは、この定理を証明することだけを目標に掲げ、自宅の屋根裏で7年間(!)もの間、大学教員としての最小限の仕事以外、わき目も振らずにひたすら取り組み続けた。そして1994年、200余頁の長論文で、見事にこの定理を証明したのである。
彼はこんなことを語っている。
「大事なのは、どれだけ考え抜けるかです。とくに、袋小路に入り込んでしまったり、未解決の問題にぶつかったりしたときには、定石になったような考え方は何の役にも立たないのです。新しいアイデアにたどりつくためには、長時間とてつもない集中力で問題に向かわなければならない。その問題以外のことを考えてはいけない。ただそれだけのことを考えるのです。それから集中を解く。すると、ふっとリラックスした瞬間が訪れます。そのとき潜在意識が働いて、新しい洞察が得られるのです」


<参考文献>「フェルマーの最終定理」(サイモン・シン著)


高木 進吾


■関連用語
問題解決
コンピテンシー
ハイパフォーマー


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